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序章
「人生、山あり谷あり。人生がうまくいっている時は、決して調子に乗らず、次に来るスランプに備え、しっかり蓄えをしておく。人生がどん底な時は、その状況を冷静に受け止め、やがて訪れる上向きになる時を静かに待つ。」誰もがわかっていることかもしれないけれど、それが僕が今までの人生の中で学ん
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2. 家族の存在意義
結果が出たその日の夕方、母は病院を去る際にエレベーターホールで僕の手をさすりながら、涙を流してこう言ったのを今でも覚えている。
「癌じゃなくてよかった。私があなたの病気を代わってあげたかったわよ。」
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3. 散らばったジグソーパズル
僕の当時の状況は、自分一人の力ではどうにもならない状況であった。精神科に行く息子を持ってしまった両親を哀れに感じたが、自分が自殺するよりはましだと思い、思い切って両親に精神科に行きたいことを話した。
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4. 希望の光
2002年1月中旬、ニューヨークから戻ってきた後就職活動を始めたが、当時はまさに就職氷河期真っ只中。全く興味のない会社の法務部等に応募してみたものの、それでも内定などもらえなかった。
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5. 雪融け
2002年3月30日、僕は逃げるように日本を脱出、誰も知り合いのいないカナダに向かった。
エアカナダを利用、バンクーバーで乗り継ぎトロント到着の予定は夕方であったが、バンクーバーでのワーキングホリデイビザの手続きに時間がかかり、トロント行きの便に乗り遅れた。
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7. 将来の布石
カナダ生活の前半はあっという間に終了し、後半は帰国後のプランを再度練り直した。当初の予定では上海の復旦大学で1年間中国語を勉強しようと考えていたが、復旦大学は入学日のスケジュール等の問題があり、自分の理想の計画とは合わなかった。そこで、カナダで知り合った台湾人女性Sallyの勧め
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8. 僕の運命をかえた台湾
台湾では日常的で些細なことだが、日本ではなかなか見られない光景のため、こういう場面に遭遇した日本人観光客は、僕と同じように台湾を大好きになって帰っていく。
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9. 緣
2003年夏、台湾で暮らし始めて数か月が経った。この時点で僕はまだまだ将来の不安はあったものの、台湾の生活はとても気楽で毎日が楽しかった。 日本には規則が多すぎて、人と少しでも異なることをすると冷ややかな目で見られる。
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10. 予感
2004年夏、日系の人材紹介会社から台湾人総経理の特別助理(社長特別秘書)としての内定をもらったものの、経験をしたことがない業務が沢山あったことや、当時の年齢にしては割と高い給与だったこともあり、総経理の期待に背くわけにはいかないというプレッシャーがあった。
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11. 虫の知らせ
2006年秋、両親が台北に遊びに来た。その夜は、日本語の話せる仲の良い同僚を集め、みんなで北京ダックを食べに行った。父はマイペースにいつものように息子自慢を始め、それを母が「うちのお父さん、変わっているでしょ!?」
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